禁煙外来とは
当院では、どうしても喫煙を止めたいと考えている方のために禁煙外来も設けています。禁煙治療を行うにあたりましては、患者さんの喫煙歴をしっかり把握したうえで、禁煙補助薬(飲み薬、貼り薬)を処方します。処方後は経過を観察しながら、生活指導を含めたアドバイスも適宜行います。ご希望の方はお気軽にご相談ください。ただし、治療中イライラや不眠などの副作用が現れることがありますので、心療内科や精神科の持病をお持ちの方は事前に主治医の先生に禁煙外来を受けてよいかご確認の上お越しください。
また、禁煙外来では記入していただく用紙が大変多くなっておりますので、以下の問診表(禁煙外来用)をダウンロードして事前記入していただきますと、お待ち時間が少なくなるかと思います。ご利用ください。初回は、合計で15分以上かかりますので、お時間には十分余裕をもってお越しください。
問診票(禁煙外来用)について
ある意味薬物依存の喫煙習慣
喫煙習慣は一種の薬物依存であり、単なる嗜好ではありません。タバコはニコチンの作用がもたらす脳や身体への快感による身体的依存だけでなく、ホッとする、スッキリするといった心理的依存も重なっています。そのため禁煙することは容易ではないのです。
このように禁煙の実践が困難なのは、意思が弱いといったことではなく、ニコチンのもつ強い依存性が原因であり、ニコチン依存症は治療が必要な病気なのです。禁煙外来であれば医師のアドバイスと併せて禁煙補助薬を処方しますので、禁煙の成功率はお一人の場合よりも高まるはずです。今度こそ禁煙を実現したいと決心している愛煙家の皆様、一緒に最後まで頑張りましょう。
昨今愛煙家の中で流行っています電子タバコ・加熱式タバコについてですが、100%安全なタバコはない、ということをご自分で理解した上で継続の判断をしていただければと思います。見えない煙が周囲の人へどれくらい影響を及ぼすか、及ぼさないかのデータの蓄積には非常に時間を要します。(詳しくは、少し難しいかもしれませんが、日本呼吸器学会の見解へ)
主な禁煙補助薬
ニコチンを含まない禁煙補助薬(現在は製造中止)
バレニクリン酒石酸塩が主成分の飲み薬(錠剤)- 薬の主成分であるバレニクリン酒石酸塩は、「ニコチン切れ症状」(イライラ感や焦燥感など)を軽減するほか、タバコをおいしく感じにくくします。禁煙開始予定日の1週間前から服用し始めます。この薬の特長はタバコを吸いながらでも治療を始められることです。服用期間は通常、合計12週間です。途中で服用をやめたりせず、医師の指示どおりに服用を続けてください。
ニコチンを補給する禁煙補助薬(現在はこちらが中心です)
- ニコチンパッチ(貼り薬)
- ニコチンを含んだ貼り薬です。医師に処方してもらうタイプと薬局などで購入するタイプがあります。1日1回、上腕や腹部、腰背部などに貼ります。ニコチンは皮膚からゆっくりと吸収されます。かぶれを防止するためにも、毎日違う場所に貼ると良いでしょう。タバコにはニコチン以外にも一酸化炭素などの有害物質が数百種類も含まれますが、ニコチンパッチにはニコチンしか入っていないので、タバコよりも安全です。
健康保険が適用されます
禁煙治療は、健康保険が適用されます。ただ、治療を受けるには一定の要件があり、初回の診察で医師が確認します。その結果、要件を満たさないと判断されたとしても「自由診療」で禁煙治療を受けることは可能です。健康保険で禁煙治療を受けられる方は以下のTDSテストが5点以上である必要があります。
ニコチン依存度テスト(TDS)
設問内容 | はい (1点) |
いいえ (0点) |
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問1 | 自分が吸うつもりよりも、多くタバコを吸うことがあった。 | ||
問2 | 禁煙や本数を減らそうとして、できなかったことがあった。 | ||
問3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたとき、タバコが欲しくて欲しくてたまらなくなることがあった。 | ||
問4 | 禁煙したり本数を減らしたとき、以下の症状があった。 (イライラ、落ち着かない、集中できない、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、手の震え) | ||
問5 | 問4で出た症状を消すために、またタバコを吸うことがあった。 | ||
問6 | 重い病気にかかったとき、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがあった。 | ||
問7 | タバコのために自分に健康被害が起きているとわかっていても、吸うことがあった。 | ||
問8 | タバコのために自分に精神的問題(*) が起きているとわかっていても、吸うことがあった。 ((*)吸うことで神経質になったり、不安、ゆううつなどの症状が出ること) |
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問9 | 自分はタバコに依存していると感じることがあった。 | ||
問10 | タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かあった。 |
厚生労働省 禁煙支援マニュアル(https://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kin-en-sien/manual/)より抜粋、一部改変
※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことのある方の場合、前回の治療の初回診察日から1年が経過しないうちは「自由診療」となります。